瀬戸内の四季とともにある、瀬戸内醸造所レストランmio
●春
春は、美しい桜の風景とともに、いちごやぶどうの新芽の成長を楽しむことができる季節です。
春の訪れとともに、瀬戸内醸造所周辺の島や、山には桜が咲き誇り、花見を楽しむ人々で賑わいます。名所でもある眼前の佐木島の千本桜、
背後に控える筆影山・竜王山の桜は水彩画のように淡く桜色で色づきます。
ワイナリーではぶどうの新芽が出る季節。新しい醸造年の始まりです。ここから約半年、ぶどうの樹は成長し収穫まで息つく暇もない日々が待っています。
山に若々しい緑が色づく頃。“山笑う”という季語で表される季節がやってくると、新緑で一帯の景色は急に立体的になります。春の美しい景色の移ろいとともに、新鮮な食材をお楽しみください。
●夏
夏になると、海の色は空の色と陽の光を映して一層青く輝きます。瀬戸内のイメージの代名詞とも言える、季節の到来です。
瀬戸内醸造所の並びにあるすなみ海浜公園は海水浴を楽しむ方々で賑わい、尾道から今治までのしまなみ海道ではサイクリングを楽しみながら、海風を楽しむことができます。
近くの忠海港からは大三島行きのフェリーが出ているので、しまなみ海道を少しショートカットしてサイクリングを楽しむルートがあるのは、地元民ならではの知識です。
梅もぎに行ってシロップを仕込んだり、瀬戸内名産のたこの旬もこの季節。そしてぶどうの早い品種は収穫が始まります。白ワイン用品種が主です。
瀬戸内醸造所の一番早い収穫、醸造は竹原キャンベル・アーリー。弊社の海側自社圃場も、この栽培地と同じ区域にあります。
収穫が始まると、ワイナリーは気持ちが引き締まる頃。この頃になるとレストランmioでもぶどうを使ったメニューが登場します。
●秋
実りの秋。野山に暖色系の色彩が映えるようになり、紅葉の季節です。
三原の紅葉の名所は佛通寺。このお寺の背後に控える山の上には、三原市高坂町というぶどうの産地があります。
地元ではその名も「佛通寺ぶどう」として親しまれ、高級で美味しい贈り物として選ばれてきたぶどうです。
日本の全国的な課題でもある、生産者の高齢化に伴い、今ではぶどう栽培を続けているのは数軒。
それでも、収穫時期には毎年各ぶどう園に直売所が立ち、直接ぶどうを買いにくる方が絶えません。
紅葉散策とともに、ぜひ三原のぶどう産地の直売所へも訪れてみてください。
秋の夜長はディナーもおすすめの季節。BGMは秋虫の声を聴きながら。
晩夏から秋へ、そして初冬へ。産地が近いからこそ、目まぐるしく変わる季節の瞬間の食材をお楽しみいただけます。
●冬
冬になると季節の色彩は淡く、しんと静かな瀬戸内海を暖かい店内から眺められるようになります。
空気は澄んで夜空には満点の星空。街の灯りに干渉されず、波音を聴きながら星の観察も楽しめる頃です。
瀬戸内海名産のたこは、二度目の旬を迎えます。また、山間部・大和町の名産の蓮根も旬野菜。
そしてなんといっても瀬戸内名物の柑橘やレモンも季節を迎えます。
醸造はりんごのお酒・シードルの製造期。ワインと同じようにドライに仕上げ、お食事と一緒にお楽しみいただいています。
より芳醇な果実味があることと、少しだけワインに比べるとアルコールが穏やかなので、ワインに不慣れな方にも飲みやすいかと思います。
瀬戸内醸造所レストランmioでは、お魚料理と合わせることも多いので、ぜひお楽しみください。
是非、敷地内で造っているワインも一緒にお楽しみいただきたいと思いますが、
ランチ中心での営業、そして郊外のレストランという立地から、オリジナルのノンアルコールドリンクも複数種類ご用意しています。
こちらも季節により内容が変わる自家製のシロップ(葡萄や林檎、梅や柘榴など)、ワイン用葡萄のジュース、こだわりの紅茶専門店の水出しブレンドティーなど、
ワインをお楽しみいただくお客様と同様に、お食事と一緒にノンアルコールドリンクもお楽しみくださいませ。
お食事の前後は、お庭に出て散策やくつろぎの時間をゆっくりお過ごしください。
レストランmioでは、その時に地元で取れる食材を使っています。輸入や遠方のブランド食材・高級食材はほぼ活用していません。
フードロスを可能な限り減らすために、コース料理はご予約でのご利用をお願いしております。
また、数日前から食材を準備するため、大変恐れ入りますがキャンセル規定ありでの受付とさせていただいています。
私たちワイナリーも同様ですが、近年の資材費や電気代の値上がりにより業(なりわい)の維持継続が苦しい、という声をあちこちから聞くようになってしまいました。
消費と生産、どうすればお互いの需要を満たしながら無理がない維持継続がかなうのか試行錯誤しておりますので、
少々不便なお願いかとは存じますが、何卒ご了承いただけますよう、よろしくお願いいたします。
メインのお肉料理は、ワイナリー併設、
そして郊外のローカルレストランならではの“薪焼き”
レストランの営業準備が始まると、店内外に漂い始める薪と炎の香り。火を焚くと香りが立ち上り、新鮮な食材をシンプルに焼き上げます。
キッチンの中にガスコンロが普及する前は、炎はさぞ食欲をそそる音と香りだったことでしょう。
ワイナリーゆえに、一年の始まりに大量に手に入るのはぶどうの剪定枝。
あまりにも大量に出るので、剪定した枝はその場で燃やされることが多いのですが、
「焼くと特徴的な香りがするんよね」と農家さんたちが口を揃えて言うのを、ワイナリーができる前からずっと聞いていました。
周りに商業施設や密集した住宅街がない場所にあるレストランmio。
せっかくこのような郊外まで足を伸ばしていただくので、この場所ならではの料理を一皿ご用意したいと考えました。
また敷地内で実際に火を起こしてバーベキューを楽しんでいただくと(こちらは完全ご予約制の10名様以上でご予約をお受けしています)、
その非日常感が好評だったこともあり、その要素を通常のレストランメニューに組み込むことになりました。
ぶどうの剪定枝を始めとした薪で焼き上げ、薫香が際立つ世羅牛の薪焼き(ステーキ)。コースのメイン料理としてお楽しみいただいています。