ワインは、味覚で産地を旅するきっかけの飲み物 |特集|広島県三原市の瀬戸内醸造所

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ワインは、味覚で産地を旅するきっかけの飲み物

ワインは、味覚で産地を旅するきっかけの飲み物


ワイナリーのスタッフの方は、ワインが好きなのですか?と聞かれることがありますが、やっぱり興味を持ってくれるスタッフが殆どです。この記事を書いているスタッフは、お酒を飲むならワイン。好きか嫌いかといえば、「大好き」の部類に入るかと思います。日本ワインを好きになってくださる方を増やしたい、というのは私たちワイン業界の共通の願いですが、どうしたら日常に親しんでいただけるのか、日々試行錯誤をしています。ワインを日常に触れる機会が少ない方に、いくら「ワインを日常に」と言ったところで、そうなるのは難しいですよね。

そこで原点回帰。自分は何故ワインのことが好きになったのか、少し考え込んでみました。元々お酒は好きで強い方でした。ワインに出会ったのは、お酒を嗜むようになってからしばらく経った頃です。
最初から夢中になった訳ではなく、ブドウの品種も分からず、味わいを何と表現すれば良いかも分からず。という状況。まさに右も左も分かりません。さらに海外の葡萄の産地を聞いてもあまりピンと来ず、美味しいとは思うけれど、ワインって難しいなと感じていました。
そんな時に出会った日本ワインの専門店。産地や作り手・味わいのストーリーを熱心に紹介してくださるオーナーさんで、そのストーリーテリングにあっという間に引き込まれたことを今でも鮮明に覚えています。
個人的には日本ワインの大きな生産地に土地勘がある場所の出身で、産地に聞き覚えがあったことも、そのワインストーリーに引き込まれた一つの理由かもしれません。

地形や気候、栽培されている品種、作り手の工夫。そんな話を聞いていると、実際にその場所の空気感を感じられるような気がしました。出身県産のワインが世の中に多いものですから、飲んで産地や会社名を調べてみるとエア帰省のような感じにもなってきて、忙しくてなかなか戻れない地元の空気に触れているような安心感に繋がったように思っています。そんなワインを通した思い出散歩が、日常の中にある非日常、特別感につながり、日々の自分の機嫌を取る良い手段となったのかもしれません。

今では国内外、訪れたことのない場所のワインでも、ボトルの裏ラベル情報を凝視しながらネットで情報を探し、ワインを味わうという産地への味覚旅を楽しんでいます。

日本にも、その土地土地にワイナリーがあります。
ワインは土地の味わいを表現する、味覚でその土地へ旅できる飲み物だと思っています。
瀬戸内醸造所のコンセプト「SETOUCHIを旅するワイン」の、着想はここから始まりました。説明文を長めにエチケット表ラベルに記載しているのも、産地や作りのことを少しでも細かくお伝えしたいため。
きっかけがないと親しみづらいかもしれませんが、瀬戸内醸造所を含めた日本ワインを、好きになってくださる方が増えるといいなと思います。